虚ろな目で進んでゆく

いくつもの小さな小道
目をこらして
じっと見つめるの
小さなわたしは
本当に小さな灯り火だけ
その手に掲げ


どんな闇がその先に
待っているのだろう
朝焼けの色
雷雨の色
悲しみはどこにだって
潜んでいる
それは理解している
朝の来ない場所ならば
もういくつも見てきたわ


わたしは
なにもないところに
ただ
立ちすくんでいるだけで
もうそろそろ
行かなければいけないね
たったひとりで


右、左、このまままっすぐ?
後ろはもう消えてしまったわ
なにも知らない
闇夜に向かって


後悔しなかったことはない
絶望しなかったことはない
最悪なことに
先にあるのは
無彩色の本当の闇かもしれない


道を進むの
もう灯り火は
消えてしまったのだから
もう猶予はないのだから
悲しいささやかな望みだけ
せめてもの祈りだけ
その胸に掲げ




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