アルバムの色褪せた写真のように
どうしようもないこと
わからない
わたしはあなたではないから
どうして、
ずっと息をひそめたまま
なにかをみつけるわけでもなく
夕暮れどき
ハモニカの音を思い出すとき
そこにいつもあなたがいる
白黒の花びら
だれに愛されるわけでもなく
こわれたかべから
見渡せる景色
陰鬱な天気のほうが
わたしは心が楽なのだ
(あなたがいなくなった日は
燃えるルビーのいろだった)
ハモニカの音がきえてゆくころ
だれかの死体をふみつけるように
なにも、なくなってゆく
われた花びんだけを
のこして
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